ゆきうた


Surviveよりゆきうたです。


丘の上に聳え立つ一本の大木。それは奇跡のモミの木と呼ばれていた。
その木に祈れば願い事が叶う。
実しやかに囁かれている伝説。
しかしそれにはいくつかの条件が必要であった。
─雪が降る日であること。
─心の底から叶えたい願いであること。
─祈った人間の大切なものを代償にすること。



雪、奇跡、大木と来るとどうしてもあのゲームを思い出しますが、
ある意味、対極といってもいいかもしれません。
というのも、このゲームにおける「奇跡」は、かなり重いのです。
まあ、それがテーマでもありますし、そういう意味では、斬新といってもいいかもしれません。
物語としては、ありきたりなんですけどね〜。

ゲームとしては、バランスがいいと思いますね。
ギャグも豊富ですし、泣きどころも有。
強いて欠点を挙げるなら、プレイ時間が短いことぐらいかな?
あ、あと鬱エンド率が結構高かったりするので、耐性低い人は控えたほうがいいかもです。


プレイのきっかけは、カッコイイ主人公のゲームはないか、と探してた折、
「最強のお兄ちゃん」がいるとの情報を得たからです。
そう、このゆきうたの主人公、秋臣はカッコイイんです!
自分の中でも五指に入るかもしれないです。
そして、その妹がまた・・・最低で最高なんですよ、いい意味でw
主人公にして、「史上最高に使えない妹」の名は伊達じゃないです。

では、感想です。



まず、音楽。
んー特に印象には残らなかったです。。。
が、まあ、気になることもなかったので、
裏方としての役目は果たしていたのでしょう。
ちゅう訳で及第点じゃないでしょうか。


グラフィック。
ここも問題無しかな? OPムービーはショボかったですけど・・・。
CGの数もプレイ時間の割りには多いと思いますし。
キャラデザも、特に癖のあるものではないです。


で、シナリオです。5人ヒロインがいますが、
キャラでは妹・菜乃。シナリオでは、盲目少女・由紀が際立ってます。



しかし、菜乃のインパクトはマジですごいです。
基本的にギャグフルアクセルのキャラです。
なんというか、従来のギャルゲーにはいなかった「妹」キャラじゃないでしょうかね。

主人公との関係も・・・なんというか「秋桜の空に」の靖臣とすずねぇの逆バージョンというか。
とにかくゲーオタでミリオタで、バカで健気な妹ですw

音声がまた、あってないようでこれ以上ないくらいハマってます
。 あの声優さんの名演技あっての菜乃ですね、まさしく。
・・・まあ、肌に合わない人はいるんでしょうけど。。。w

なんというか声としては全くもって可愛くないんですが、(←オイ
それが菜乃というキャラを形成してるっていっても過言ではないので、
どうか音声OFFにしないでやって下さいと、切に願います。
笑える度が70%増しですから。


シナリオもなかなか良かったです。
菜乃シナリオの主人公は、一番カッコイイかも。
過去話とかかなり泣けてきます。。。

と、菜乃ばっか語ってもしょうがないので、他ヒロイン。


盲目少女・由紀。
まあ盲目少女って時点で、泣き&鬱シナリオだってのは、
最初から決まってるんですけど・・・。

・・・泣いたよ!!
ああ、泣いたさ。ちくしょう!


エンディングは2種類ありますが、どっちも泣けます。
バッドエンド(どっちがバッドかってのは人それぞれな気もしますけど)では、
秋臣の懺悔に涙。感情移入度としてはこっちのが高かったです。
愛する人を救う方法を知っていながら、それを実行出来ない弱さ。
人として、当たり前だと思うんですよね、こういうのって。
やらなきゃいけないってわかってても怖いですよ。
今まで、割と強い部分しか見せていなかった秋臣だけに、ここはグッときました。


ハッピー(?)エンドでは、あー。なんだろう。
よく分かりませんが、涙(オイ
すれ違いの場面とか、CG3枚も使って気合入ってましたし(←褒め方悪
由紀が秋臣の状態を知らないってのも涙。
あとラストシーンの「私が秋臣の杖になる」ってとこはベタながら感動致しました。

で、その他ヒロインは・・・まあ、ボチボチってとこですか(オイ
キャラ的には雪那、摩尋は良かったんですけど、シナリオが唐突すぎです。
特に雪那は、もう少し突き詰めれば素晴らしいシナリオになったと思うんですけどね〜。
なんかあっさりしすぎです。

えと、先生は・・・。まあ、真実には、ビックリしたんですけど、いきなりだったもんで。
でも、基本的に僕はああいうキャラは好きくない(オイ ので、ノーコメント。(マテ
個人的に、あの設定を違うキャラに持ってきて、
伏線とかちゃんとしてたら、いいシナリオになってたんじゃないかと思ってます。


総合的には結構な良作だと思います。キャラは菜乃。シナリオ、由紀なゲーム。
安易な奇跡ではなく、代償を払うという行為を伴う奇跡。
奇跡を扱うゲームは現在溢れ返っていますが、こういうのは中々ないんじゃないでしょうかね。