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SWAN SONG


Le.ChocolatよりSWAN SONGです。


絶望に試されるというキャッチフレーズのように、
冒頭、大地震に苛まれる雪の町。
漫画・ドラゴンヘッドのような感じですね。

まず、グラフィックですが、ギャルゲギャルゲしてない絵柄で、
シリアスなこの作品にはマッチしていましたね。
イベントCGの数も中々多く、カットインCGも含めるとかなりの数になります。
このあたりは良好。


演出についても、カットインをうまく使い、
ノベルゲームとしては十分な出来でした。


しかし、個人的には、長セリフの場合に、
テキストが、一度に全部表示されるのはなんとかして欲しかったですね。
ただでさえ難しい内容を喋っているのに、ズラーッと全部表示されてしまうと、
読むのに目が疲れちゃいます。
せめて、3〜4行が1クリックで進む形にしてもらえれば良かったんですが・・・。


音楽は、結構無音な部分がありましたね〜。
盛り上げる部分ではちゃんとBGM流していましたが。
その部分については及第点。特に可もなく不可もなく。
OPとEDについてはエロゲにしては珍しい部類の曲。
まあ、主人公がピアニストというのも関係してますね。



んで、シナリオです。

基本的には一本道で、1週目と2週目でノーマル、トゥルーエンドと分かれます。
特徴的なのが、このゲームはザッピングシステムを採用しています。
「街」などで有名なあれですね。この業界ならEVEが有名ですね。
とはいっても、自分で誰の視点で行くかを決めれる訳ではないのですが。

内容としては、中々読ませるストーリーで、退屈しませんでした。
大地震で街が崩壊〜ってだけでも、十分鬱な要素だったんですが、
その後の、醜い人間の本性的な描写が、かなりキます。
物語序盤からは、およそ考えられないような、残酷な描写もありますし。

なによりも、まさか鍬形が、あそこまで狂っていってしまうとは。
たしかに序盤の、病院襲撃の辺りで危うい感じを出していましたが・・・。
反面、田能村は、終始いい男で終わりました。
ああいうキャラに限って、裏で何を仕出かすのかと勘ぐっていたんですけどね〜。
序盤でのザッピングが、主人公の司と鍬形が多かったのは、
最初から最後まで、行動原理自体には変化が無かった司と、
この後、変貌していく鍬形の心理描写の対比に重きを置いていたからかもしれませんね。


田能村や、雲雀にザッピングされるのは、
自警団が段々狂気に駆られていった、中盤以降でしたし。



鍬形は、ある意味この物語のもう一人の主人公だったんだと思います。
変わらない強さを持った司と、弱さゆえに変わるしかなかった鍬形。
特殊なのは前者です。
きっと誰しも鍬形のように、狂気に駆られる部分を持っているんでしょう。
要因はささいなことだったはずです。
田能村の結論一つで、結末がまるっきり変わるというのも、
これとの対比なんじゃないですかね。


トゥルーエンドとノーマルエンド。
トゥルーはほぼハッピーエンド、ノーマルエンドはぶっちゃけ主要人物はほぼ死ぬ、バッドエンドですが、
この二つを分けるのが田能村であるのが少々意外でした。
二つのエンドも対比させてますね。
個人的にはノーマルエンドの終わり方は割りと好きではありました。
司のなんの意味もなくても、あろえの復元した像を飾りたいという願い。
中々心を打たれました。


でも、なんだか全体的にあろえの存在意義がちょーっと薄かったような・・・。
看板ヒロイン的な立場なのに、あろえの存在がシナリオに大きな影響を与えているとは思えないんですよね。
どうせ最後に何かあるんだろーな、と確信していたのに肩透かしを食わされた気分でした・・。

メインヒロインはむしろ柚香でしたからねえ・・・。

んで、トゥルーの方は、みんな生き残り、
司の手も残る、バッドに比べればハッピーすぎるエンディング。
こちらは、この街を捨てない、諦めないという選択をした、
田能村によって導かれるわけです。


病院を襲撃し、強姦殺人を起こした青年3人の処遇。
その時も田能村や雲雀は、処刑も逃がすことも選択しませんでした。
ある意味で、それは逃げであったのかもしれませんが、
この作品では、きっとそれが正しいっていうことを言いたかったんじゃないかと思いました。


いや、というよりは、正しい、正しくないとかで、物事を決めない、
それでもより良い方向へ向かい、その方法を模索すべきだっていうことかな?
終始、田能村はその姿勢でいましたし、
最後の選択肢で、それを選んだ時のハッピーエンドがそれを物語っています。






総評。

良作。
絶望と希望。人への依存。変わる人間。変わらない人間。
テーマとしてはかなり奥深く、興味深かったです。
多少、鬱になる方もいらっしゃるでしょうが、是非プレイして欲しい作品ですね。

いや〜しかし田能村&雲雀コンビには、絶望的な世界観の中、癒されました。
この二人好きですねぇ〜。