水夏 〜全年齢対象版〜





Circusより水夏です。

オムニバス形式で語られる4つの話。
人の死と思いをテーマにしているので、どれも少し悲しいお話です。

キャラデザは有名な七尾奈留さんです。
いいですね〜。


音楽は一部あってないような曲がありましたけど、
なかなかいい感じです。
特にOPテーマのFragmentは個人的名曲入りです。


で、シナリオです。
全4章のお話ですが、どのシナリオもミステリー的要素が強いのが特徴です。
登場人物の第一印象がシナリオの終盤には変わっていることも多いです。
特にお気に入りなのは2章ですね。
さやか先輩のキャラと律先生の存在がやはり大きいです。

では各章について。


第一章


同じ男の子を好きになってしまった双子の話。

少しオカルトチックなシナリオでもありました。
双子といえば入れ替わりネタ。ですが、
終盤まで、神社の巫女さんがどっちで、
病院で眠り続けているのがどっちなのか断定できないようになっていて、
なかなか考えさせられました。

ここらへんは飽きさせないなあと思いましたね。
事実、途中で止めることなくプレイしましたし。

ホラー的な要素もあって、
死んでしまった猫を掘り出すシーンなどはなかなか恐怖感がありました。

ラストはハッピーエンド?なんでしょうかね。
沙夜は両親も妹もこの世にいない
天涯孤独の身となってしまったわけですが、
あの性格なら前向きに生きていくでしょうね。


第二章


死をテーマにすることで有名な画家と
心を見透かしてしまう目を持ったその娘の話です。

一番お気に入りなシナリオでもあります。

シナリオの構成がいいですよね〜。
白河律の目的、主人公の狂気・・・。
ホントにどんな結末を迎えるのかわからなかったです。

ラスト直前まで、緊迫感の連続でしたし。
さやか先輩を守ろうとする主人公でさえも、
死に魅せられている節があって、誰も信用できない感じです。

そして襲われるさやか先輩。
もう絶望感しか浮かばなかった場面から、
どんでん返し。
ん〜やっぱり最初下げて、後で上げるタイプの話のがいいですよね〜。
後味いいし。

白河律の最後はなかなか感動しました。

白河親子のキャラ性とハラハラさせるシナリオ、ってことで
一番好きなシナリオでした。


第三章


やられたー!って感じのシナリオです。
このシナリオは主人公とその恋人透子、義妹の茜の日常と
記憶喪失の少女、アカネの話が交互に進んでいきます。

んーこれって予想できた人っているんですかね〜。
途中まではアカネの言う通り、タイムスリップしたか、あるいは時間軸がズレているだけなのかと思ったんですが、こうきましたか。
タイムスリップ説は、主人公と茜が海に来たとき、アカネの病院を訪れたので否定されちゃいましたし。
まあ、病院の先生の美男美女のカップルじゃったよとかいうセリフはかなり引っかかってはいたんですけど・・・。
不自然な点としては、主人公が精神科医にかかっていること、透子の不可解な行動、夜に主人公の家で目撃した透子の姿、などがあ
りましたか。

トリッキーさではピカイチなシナリオでした。
が・・・後味がよろしくないです。
なんというか女は怖い、みたいなシナリオですよ。


第四章


死の近くに存在する名無しの少女とそれを拾った主人公の話です。
切なく、優しい話でした。
名無しの少女が実は死神だった、というのは4章まででなんとなく想像していましたね。
ですが、その事実の後も怒涛の展開が待っていてこれまた結末が読めませんでした。
謎が多すぎて話が複雑になってしまったのはちょっと残念かな。

とりあえずアルキメデスが最高でした。
もちろん名無しの少女も良かったです。

そして4章終了後の閉幕。

ここで、タイトル「水夏」の意味がわかります。
心がホっとするラストでした。
やっぱりハッピーエンドはいいですね。



美絵シナリオ


完全版で追加されたという美絵シナリオです。
2章のシナリオで分岐します。

美絵シナリオは第4章、閉幕までプレイしてからやり始めたので、
かなりやる気がありませんでした(オイ
美絵にもあまり魅力を感じてませんでしたし。
追加シナリオだし、てきとーなんだろうなーとも思ってたんです・・・が!

スミマセンでした。

いいシナリオですよ!そして美絵もいいキャラです。
なによりもさやか先輩がいい。

美絵中心のシナリオなんですが、さやか先輩がフェードアウト
するわけではないのがいいですね。重要な役どころを担っています。
さらにいまいち不明瞭だった主人公の心の闇。
ここら辺が補完されていたのも好印象。

そして美絵とその母親の会話が泣ける・・・。

全然期待してなかったんですが、いいシナリオでした。