Sense off




otherwiseよりSense offです。

きっかけは評価が高かったというのもありますが、
なんといってもネタバレが恐い系のゲームとのこと。
これを聞いたからですね。

翻せば、それはどんでん返しか、ものすごい設定か、
とりあえずすんごい結末を用意してくれてる感がありありじゃないですかっ。

正直今からすると結構古いゲームなんでどうかとは思いましたが、
(絵柄もちょっと古臭いかな?と思ってしまいました)


では早速シナリオ感想です。






織永成瀬



なんとなく超能力っていうキーワードだけは聞いていたので、
当初、予想してたストーリーは、敵とかとサイコキネシスで
戦ったりするのかと思ってました。(←バカ)

蓋を開けてみれば、極一般の学園モノ。

ただ、主人公・直弥の不条理な言動の数々w
と幼馴染の成瀬との駆け引き、さらに音楽の折戸さんも相俟って
名作・ONEに通ずるものを感じました。

日常シーンについては退屈しませんでしたね〜。

しかし終盤からはシリアスに。

未来視の力を持つ、成瀬。
漠然と「悪いこと」が起きるという予感しかありませんでしたが、

誕生日の次の週の日曜、主人公に告げた言葉。
「もうすぐ世界が終わるの」
その予知を信じた主人公は、残り少ない時間を、
成瀬と共に過ごそうとします。

世界が終わるのは5月10日の午後3時10分。
そのときまで穏やかな日常を過ごす二人。

そして、約束の時間。
世界は継続していました。

安堵して振り向いた主人公が見たものは、
静かに横たわる成瀬の姿。

「世界が終わる」とは成瀬にとっての「世界が終わる」ことを意味していました。

成瀬をそのことを知っていて、主人公が悲しむのも承知して、
なお、二人で最後の時まで過ごすことを決めていました。

そしてエピローグ。

成瀬の独白が進みます。そこは継続し続ける世界。
その中で成瀬は生まれ変わり、また、直弥と出会い、
恋人同士になる・・・。


で、エンド。

・・・
むむう。

とりあえずいまのところハッピーエンドなのかどうかさえ定かではないですが・・・。
成瀬が死んでしまった理由がまず謎ですが、それが「未来視」に関わることなのは間違いないでしょう。

さらに生まれ変わったという成瀬はCGで見ると成瀬には見えません。
(まあ、生まれ変わったというのだから、違う人間なのでしょうが)
ということは、同じ時間を繰り返す訳でもないと。

きっとここら辺はあとで判明するのでしょうね。

というわけで次いきます。






埴島珠季



出会いから衝突しっぱなしの珠季です。

これまた難解系のシナリオで・・・
「ありがとう」という言葉から、
生み出された二人だけの世界。

二人は恋人同士になりますが、
珠季の中で直弥の存在が大きくなればなるほど、
珠季は、それを失った時の恐怖に不安を覚えます。

それは、珠季の力のコントロールにも関係してゆきます。
熱が下がらなくなる珠季。
力のコントロールが出来なくなった珠季は直弥を遠ざけようとします。


やがて、その力は、直弥へと向けられますが、
珠季は力の方向を捻じ曲げ自分自身に向けさせました。
珠季の世界は終わりを告げます。


直弥は自分の力で、消え去ろうとしている珠季の精神をつなぎ止めます。
そこで、見たものは珠季の記憶。

珠季がいつも口にしていた「グランマ」とは、祖母のことではなく、
自分の頭の中にだけ存在していた、自分ではない誰かだったようです。

グランマを忌み嫌うようになってしまった珠季でしたが、
新興宗教の教祖に、珠季の精神が壊されそうになった折、
身代わりとなって、珠季を助けました。


珠季の過去を鑑みた直弥は一つの可能性を見出します。
珠季とグランマのように、共生の関係が保てるのならば、
自分と珠季でもそれが可能なはずだと。

やり方はわかりませんが、直弥は本能のままにそれを行います。

と、サパーリでした。






真壁椎子



むむむ・・・このゲーム難しいですよ、話が・・・。

数学と物理を椎子に教えていくうちに、
次第に打ち解けていく直弥と椎子。

椎子には、人の痛みを和らげる能力がありました。

やがて、二人は結ばれますが・・・。

そこからはある男の遍歴。
1700初頭。ベルトホルト・レーゼの物語。

ライプニッツに数学の才能を見出された、ベルトホルトは、
大学のアカデミーで情報理論を構築します。

ですが、その理論は当時では、理解の及ばない
ものでした。

ベルトホルトは自分の理論が誰にも理解されないことを悟り、
孤独になります。

数年後。
ベルトホルトはアカデミーを去り、
ヨハネスという偽預言者になり、生計を立てていました。

そんな生活を続け、都市から都市を渡り歩いていた頃、

過去、自分の狂信者となっていたゲーゲンという男に、
偽預言者であることを看破されてしまいます。

住人に袋叩きに遭いながら、
逃げて辿り着いた一つの扉。

そこはゲルトルードという医師手伝いをする、
少女の家でした。


自分が偽預言者であることを伝え、
しばらく少女の家にやっかいになるベルトホルト。

ゲルトルードには特異な能力が備わっていました。
それは椎子と同じ、苦痛を和らげる能力。

ある日、ゲルトルードは一つの本を読んでいました。
それは、過去、ベルトホルトが纏め上げた情報理論の本。
誰にも理解されない理論。

ゲルトルードは理解できないまでも、その本の作者の、
数学とその理論に対する愛を感じ取っていました。

ベルトホルトは、ゲルトルードに、自分の正体を明かし、
その理論を、教えることを決心します。

二人は正反対のようで、根源を同じくする、
魂の接触に飢えている人間でした。
蜜月に入る二人。

そんな中、
近くの町で略奪が起こり、
多くの村人が被害を、受け、
二人と老医師は応援に駆けつけます。

そこに広がる地獄のような惨状。

ゲルトルードは、自分の力を使って、
人々を救おうとしますが、
そんなことをすれば、精神を壊されてしまうと、ベルトホルトに止められます。
代わりに自分に苦痛を向けろと。

人々は安らかに死んでいきます。

そんな遍歴を見た直弥。
ベルトホルトは自分の前世であり、
ゲルトルードは椎子の前世であること理解した直弥。

しかし同時に、さらに過去・・・ベルトホルトの時代より
遥か過去の自分を思い出します。

小さな共同体の中での自分の役割は演算者。

それはラプラスの悪魔のように、
過去・現在・未来を全て見渡す存在。

驚異的な演算能力により、未来を見ること可能としています。


演算者であったころの自分を思い出した直弥は、
近々、近くの町で、破滅的な出来事が起こることを予測します。

それを止めるには、自分が死ぬしかない。

多くの人々を救うため、直弥は、
施設屋上から飛び降ります。

エピローグ。
教室での夢のようなやり取りから現実へ。

椎子は、自分の能力を使って、直弥を救おうとします。

かつて、出来なかった、ゲルトルードの頃の自分にならないよう。

・・・


これって、どうなったんでしょうか。
直弥は死んでしまったのでしょうか。
それとも二人とも死んでしまったのでしょうか。
最後の二人もまるで夢の中の出来事のようで信憑性がありません。

むむむ・・・







三條美凪



心を読む能力を持った少女。

この能力を生まれ持ったせいで、美凪は、
常に孤独でした。
力を制御できずみたくもない、心を見せられる。

そんな美凪と触れ合ってゆくうちに、
直弥は惹かれていきます。


美凪には過去一人だけ、心を許せる友達がいました。
本名はわからず、あだ名はハカセ。

唯一心を読むことが出来なかった相手。
怪獣図鑑をくれたのもその少年でした。


そのハカセが自分であることを思い出した直弥。
しかし同時に、美凪が語ったハカセの能力についても考えさせられます。

それは「触媒」の力。
運命の励起とも呼ばれるそれは、
他人の運命を変えてしまう能力です。



美凪とともに見た夢。
その中で、直弥と美凪は古代の天空を舞っていました。

日本がまだ大陸続きだった時代。

そこに飛来したのは、星々を旅してきた生命体でした。
その種族の中での直弥の役目は演算者。
直弥と美凪は、そのときから心が繋がっていました。


ようやく見つけた、移住出来る星。
星々を巡り、その種族を内包する器は、もう限界にありました。

演算者である直弥は、胴体着陸により、
なんとか地球へ着陸する解を導き出しますが
そのライン上には、地球の先住生物がいました。
このまま着陸をすれば、その辺りの生物は全て死滅してしまう。

それを由としなかった直弥は、少しだけラインをずらしてしまいます。
直弥のその行動は、種族の絶滅をもたらしてしまいます。


それが、現在の直弥の「影響力」に繋がっているようです。


直弥と美凪は海を見に行きます。
実際に向かったのは山でしたが。

そこで、直弥は心を解放し、
かつての同胞達の悪意を一身に受けます。
心が汚染されていく直弥。

ですが、悪意達は、直弥だけでなく、
心の繋がった美凪に、憎悪の矛先を向けようとします。

直弥は立ちふさがり、悪意と共に消えることを決意します。


むむう・・・

なるほど、少しずつわかってきましたね。

直弥達、特殊な力を持った人間達は、
どうやら古代の地球に降り立った、知的生命体達の、
転生したもののようです。






御陵透子




世界を「組み替える」能力を持った少女。
彼女が認識した通りに世界を変容させてしまう。
そして彼女以外の生命は、その変容に気付かない。

直弥達とは桁外れの能力ですが、根源は同種とのこと。


このシナリオによってかなりの謎が解けてきましたね。
透子は、「人間」でなかったころの記憶を持っていました。

そして、透子の能力を聞いた直弥は、
透子から、直弥達、人間以外の種族の歴史を語ります。


始まりは、無人の宇宙船。
それはある星から放たれた、
移住可能な星を探すための、恒星間宇宙船。

長い年月を経て、無人の宇宙船の中では、
それぞれ独立した思考を持つパートが生まれ、
個性が生まれ、やがて社会を形成していきます。
人間でいう性のようなもの出来、
1対1における精神の共生体のようなシステムも構築されました。

そんなある日、生物が暮らすことの出来る
環境を持った星・地球が見つかります。

しかし長い恒星間飛行のなかで、宇宙船は疲弊し、
地球に着陸した頃には、彼ら種族は絶滅の危機に瀕します。

そこにいた先住生命・ヒトに彼らは憑依し、
種の保存と、新たな進化を求めます。

殆どの種族は、一代の転生により、記憶や能力を失ってしまいましたが、
極わずかは、直弥や透子のように、能力を体現するものもいました。

透子が想う「あの人」とは、過去、共生関係を結んだパートナーのことのようです。

透子のロケットは彼女の自同律、「自分が自分であること」を、
補助するためのものでした。

透子の力は、世界全てに影響し、それは世界の一部である透子の肉体にも、
影響を及ぼし始めます。

自同律を保てなくなる透子。
そんな彼女を引き止めるかのように、
一つになろうとする直弥。

ですが、透子は消えてしまいます。
それは、初めからいなかったかのように。
直弥以外の人間は、透子のことを忘れてしまいました。

時は流れ、夏。

直弥は、散歩をしています。
いつの間にか日課となっていた散歩ですが、
何か探しモノをしていたはずだったことを想う直弥。

ですが、思い出せません。

雑踏の中、一つの少女の顔に、
ふと振り返ります。

それはずっと探していたもの。


・・・と。

なかなか話がまとまってきましたね。

いま思えば、珠季シナリオのグランマは、
憑依していたかの種族の精神だったのですね。

そして最後の珠季との「共生」も、
かの種族のシステムの一部。






塔馬依子&飛鳥井慧子



この二人はサブシナリオですね。
依子シナリオでは、普通の人間と選ばれた人間の、
決して分かりえない感情を。

慧子シナリオでは、この作品の本編とはいえないものの、
テーマとしては、明確に描写されていましたね。

すなわち精神と肉体ですか。









とりあえずSenseOff完了ですっ。

たしかにすごいゲームでした。
成瀬の死の原因や、結末の不明瞭さなど、
納得いかない部分はありますが、それも含めてすごいです。

何よりも、無理のある展開をシナリオの伏線として利用しているところがまたすごい。

はっきりいって、直弥と各ヒロイン達が互いに好きあっていく描写は
唐突すぎるきらいがあります。

唐突な告白。急な行動。無理のある言動。
しかし彼らにとって互いに想いあうことは、その関係上、必然だった訳で、
その伏線を理解する前では唐突に思うのも無理はありません。

この辺りは賛否両論なんでしょうね〜恐らく。

しかし全体通してみて初めてわかりますが・・・。
美凪シナリオは結構無駄が多いですね。
僕は上記の順番でプレイしたので問題ありませんが、
このシナリオで語られることは、殆ど透子シナリオで語られちゃいますもんね。
しかももっと詳しく。



直弥の能力は、透子に近いものだったのでしょうか。
他人の運命を変えるほどの影響力。

しかし殆どがハッピーエンドではない気がしてしまうのですが・・・。

成瀬シナリオでは成瀬は原因不明のまま死亡。
エピローグ後の描写は・・・夢?



珠季シナリオでは、珠季は自らの力により、死亡。
恐らく直弥と共生関係を結んだものと思われます。
「思惟生命」としての二人。

椎子シナリオでは・・・ここは意見が分かれるところかと思いますが、
個人的解釈では二人とも死んでしまったのではないかと・・・。
椎子の力は、苦痛を和らげるだけですし、その痛みを受け持ってしまって、危険なのは椎子ですよね。。。
蝶バッド。

美凪シナリオでは、直弥は悪意達に蝕まれ、本人の意思も含めた結果、死亡。
美凪にそれを防ぐ手立てはなかったように思えますし。。。

透子シナリオは・・・これは唯一ハッピーといってもいいのかも?
透子はなんらかの形で自同律を取り戻したのかも知れません。
経緯はさっぱりわかりませんけどね。。。