narcissus |
同人・フリーゲームですが、
ステージななよりnarcissusです。
正味1〜2時間程の小粒ゲームです。
グラフィックは殆どなく、
横長の背景にイベントCGが2枚ほど。
基本的にテキストと音楽のみです。
音楽が、フリーとは思えないほどの出来。
雰囲気に合ったいい曲ばかりなので、高評価です。
全体的に美しい旋律の曲が多かったですか。
で、シナリオ。
ホスピス行きとなった主人公。
そこで一人の女性と出会います。彼女の名前はセツミ。
ある日主人公は、セツミと共に病院を抜け出します。
家でも、7Fでもない、自分が死ぬ場所を探すために。
・・・えーぶっちゃけ泣き入りました。
水仙の花が咲くシーンから結構泣きっぱなし。
〜だった日のこと。〜した日のこと。っていう文体が、
「銀色」の第一章に似てるな〜、と思っていたのですが、それも当然。
実はこのゲーム銀色第1章を書いたライターさんと同じらしいです。
思えば、淡々としたシナリオの展開といい、
主人公とセツミの冷めた世界観といいそれに通じるものがありました。
銀色第1章・現代版といっても過言ではないかも。
個人的にはまさにその通り、同じくらい好きですね。
エンディングは、水仙の花が咲く場所で、入水自殺エンド。
バッドエンドではありますが、不快感は感じない作品です。
それは多分、カメラの中のセツミはいつも笑っていたからでしょう。
あのまま家や、7Fで死ぬよりもずっといい最後だった。
あの2枚の写真を見れば誰だってそう思うでしょう。
ずっと受動的に生きていたセツミ。自分の死に場所を選択すること。
それは、セツミにとって、初めて自分の意思で決めたことだったのではないでしょうか。
それはエコーがナルシスに自ら想いを告げるように。
主人公と関わっていくことで、自らナルキッソスが咲く場所を目指してゆきます。
そしてセツミのことは主人公が覚えている。
笑顔が写真に残されている。
ん〜短いながらもいいお話でした。
総評
フリーゲームとしては神。
商業作品としては流石にボリューム不足だとは思いますけども。
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