腐り姫 〜euthanasia〜 |
ライアーソフトより、腐り姫です。
このメーカーさんの作品は、ギャグメインだと思ってたんですが、
シリアスなシナリオを作ろうとすれば、これだけのモノを作れるんだなあ、と
関心しきりです。
まあ、笑えるものを描くことが出来る人って、総じて頭のいい人ですからね。
ではでは、感想へ。
まずグラフィック。
最初はあまり好きな絵柄じゃないかな〜とか思ってたんですが、
この物語にこの絵の合うこと、合うこと。
この絵柄以外には考えられないですね。
あと一応グラフィックに属するかな?
演出が素晴らしいですね。
フラッシュバックのように訪れる記憶の描写。
これが、1週目、2週目と繰り返される度に、少しずつ情報が増えていく。
どんどん先を読みたくするような構成になっています。
また、キャラクターが背景にそのまま配置されるような演出は、
なかなか斬新でしたね。
音楽。
こちらも素晴らしい。
インパクトは、それほどなく、地味な部類に入るとは思いますが、
もうホントにいい。
腐り姫の伝説とか樹里のテェマとか、泣けてきます。
元々、こういう和風伝奇っぽい音楽は大好きなんですけど、
作品の雰囲気に非常にマッチしていて、すごく感動しましたね〜。
ではシナリオへ。
いやはや、久しぶりに重厚なシナリオを堪能しました。
インモラルホラーということですが、
もうホントにインモラルw 背徳感バリバリw
実妹、腹違いの姉、義妹、義母。
繰り返される4日間の中、段々と削ぎ落とされていくかのように、
赤い雪にされていく人々。主人公・五樹の大事な人達。
徐々に取り戻してゆく記憶。
蔵女の目的。五樹の封じられた記憶。
先が気になってどんどん読み耽っていきました。
ループモノとしてはNever7やクロスチャンネルがありましたが、
それらともまた違った魅力を持つゲームです。
まあ、話が「宇宙」にまで広がっちゃったことについては、
賛否両論だと思いますが・・・。
僕個人としても微妙なんですよね〜。
とうかんもりという町の中で、話を収束してくれれば、
あの統一した雰囲気のまま終えれた気もするんですけど、
収束出来るのか?って話になりますしw
あと、結構複雑な話になってるので、結構謎が残ったりしました。
それは僕の読解力の問題ですけども。
五樹の実父って、叔父の茂晴ですかね?
リフレーン後のあの二人。
あれは、「終わりじゃない」を選択した五樹と蔵女の
転生した姿だと思います。
だとすると、五樹=健昭、蔵女=朱音になるわけです。
でも、五樹は健昭の息子となると同一人物から同一人物が生まれるってのはどうも・・・。
矛盾が無くなる為には、健昭と朱音が2人で逃げ出す時に、
既に茂晴の子供を身篭っていた、ということになります。
・・・と、ここまで書いて疑問。
蔵女と「終わりじゃない」を選択した五樹って、
記憶が戻る前の五樹と同一人物じゃないような気が。
茂晴の息子にしろ健昭の息子にしろ、
樹里と心中した時点で、五樹は死んでしまっていて。
その後の「抜け殻となった五樹」=健昭なんでしょうね。
五樹は2人(というか2種類)いると考えていいような気がしてきました。
・・・と細かい部分を考え始めるときりがないですね〜。
誰か、まとめて教えて欲しいぐらいですw
総じて、やはり素晴らしいシナリオでした。
欠点は、分かりにくいところぐらいかな?
近親相姦ネタが、受け付けられない人以外には、
オススメ出来る作品です。
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