月光のカルネヴァーレ






塵骸魔京以来、久しぶりのニトロ長編作品です。

テーマは人狼と人形。
どちらも割とありふれたテーマではありますが、
この二つを組み合わせたものって意外とないような。
ある意味では斬新でしたね。

CG、音楽ともに業界トップレベル。
原画さんは刃鳴散らすと同じ人。結構中央東口さんと似てますよね。

私は、パオロを見た瞬間に、
ああ、ABANDONERと一緒の人っぽいっ!と思ったんですが、
刃鳴散らすと同じ人だとは知らなかったですw

何はともあれ、CG量も一枚一枚の出来も、
業界屈指って感じですね。

また、声優も変わらず豪華。
いろいろ著名な方がいましたが、やはり若本御大のインパクトが・・・。
流石に最近は食傷気味な気もしますが、
ダビィデのセリフ、明らかに若本御大キャストって決めてから考えてるでしょ?w
キャラ的にもはまっていました。

後は主人公。まさか流行りのキョン一を使用してくるとは・・・。
それにしてもなかなか良かったですね。
ちょっと冷めたような、でも実は熱い漢には杉田氏の声はいいかも。


で、シナリオです。

お話は、序盤〜中盤までの、ロメオ、アンナ、ノエルの共同生活から、
終盤のアンナ・ルナリアの人形編と、
ノエル・レベッカの人狼編に分かれるって感じかな?
まあ、どちらにいっても、もう片方の決着もつけることになりますが。


ではでは各シナリオへ。




アンナルート



アルジェントを全て集めるルート。
アンナが選ぶのは人間への道か、それとも。
このルートでは、カルメロがマジカッコ良すぎです。
最初出てきたときは、オルマ・ロッサの存在を匂わせる程度の、
下っ端悪役かと思ってたのに、兄貴のシルヴィオよりも切れる奴でした。
ここまで掘り下げるのなら、シルヴィオを慕う背景も、
詳しく描写して欲しかったですねぇ。

ぶっちゃけこのルートではシルヴィオが小物過ぎて最後の決着もどうにも。

エンディングは、アンナが全てのしがらみを捨てて人間となるエンドか、
円筒をそれぞれに返して5体のアルジェントに囲まれて暮らすエンドになるか、ですね。

前者は、人間になった後、アンナを振り切ってヴェネツィアにいっちゃう、
ロメオ・・・流石に空気読め、と。
いまさら別の人間と暮らす幸せなんてアンナにあるわけないじゃないですかねえ。
まあ、結果的には二人仲良く人狼になってハッピーエンドなんでいいですけどね。
ルナリア派の私としては、びみょんでした。

後者は・・・まあハーレムエンドってことで、どうか一つ。
特にコメントはないですが、ペルラが幸せそうなんで良かったですね。


ルナリアルート



アンナを乗っ取ってしまうルナリア。
ロメオに愛されることではなく、人形として仕えることを選ぶルナリア。
んー個人的にはルナリアがヒロイン中で一番好きで、
エンディングも一番好きなんです・・・が!

シナリオがどうにも微妙なんですよねぇ・・・。

ぶっちゃけルナリアがロメオを好きになる動機が、
不明瞭な気がするのは僕だけですか?その逆もまたしかり。
そこがアンナより弱いのが玉に傷ですね・・。
まあ、あの展開で、ロメオとルナリアがラブラブになるわけないですので、
仕方ありませんかねえ。


ルナリアルートでは、ロメオが団長になり、
アンナ以外の4人のアルジェントを引き連れ各地を放浪するエンド、
と、ルナリアが記憶を無くしロメオと二人暮しをするエンドに分かれます。

前者は、オルマ・ロッサ・・・レベッカやマルカントニオに、
完全に敵視されてしまいます。
エンディングのルナリアとの一枚絵はなんとも切ないです。
ニトロらしいエンディングかな。
何かを選んだが故に何かを失ったことを認識するってお話。

後者は、序盤のアンナと二人きりの日常に舞い戻ったかのようなお話。
このエンディングのルナリアが可愛すぎますw
ただ色々と後始末が残ってるルートな気がしますがね・・・。
ルナリアが幸せになるためには、記憶を失うことぐらいしかないのかよ。。。
ってことで、表面上は明るいですが、実はかなり切ないエンディング。

全体的に、「美女と野獣」ってコンセプトにあってるのって、
ルナリアシナリオぐらいかなあと思いました。
(といってもルナリアと狼化したロメオとの戦いぐらいですが)
ルナリアが糸使いなのもあって、
真っ先に爆れつハンターを思い出したのは私だけでしょうか?w


ノエルルート



俺っ娘シナリオ。
まあ、基本的にロリに興味はないので、
割と適当に流してました(ぉ

とはいえ、オルマ・ロッサ側での戦いが、
頻繁にあるこちらのルートの方が面白かったかも知れませんね。

エンディングはバッドエンド風味の、
二人とも死んでしまうエンドと、
日常に帰るエンドの二つですね。

前者は・・・ある意味最もニトロプラスらしいか。
後者のラストは、まあ、最後ぐらいやりますよね、
この定番のイベントはw

あとはレベッカ&イリスのコンビがたまらん。
この二人がすげえ幸せそうだったので文句無し。


レベッカルート



一応、物語の締めに相応しい・・・のか?ルート。

というのもピウスの野望が叶うのはこのルートだけですからねえ。
ずーっといってた神にようやくなれるシナリオです。

あとはロメオがオルマ・ロッサに唯一戻るエンドですね。

ずっと伏線で張っていたイルマが死んだ原因は、実はレベッカだったというお話。
というか、もうレベッカか・・・あとはグランティーノとグリエルモぐらいしかいないじゃんね。

そんなレベッカを許すか許さないかで、
ハッピー気味なエンドか、切ない系エンドかに分かれます。

前者は、オルマ・ロッサに戻ったロメオが、レベッカとノエルで
教皇側と派手におっぱじめーようZE!ってなノリの、爽快感あふれるエンディング。
こちらは特にコメントは無し。
レベッカのこと許した以上はこんなエンディングでしょうや。

後者はまたまた切ない系。
10年の時を経て、イル・モストロが再来しているベルモント。
それはレベッカであり、その始末をつけるため、
成長したノエルは単身ベルモントへ向かう・・・。
そこで見たのは少年の人狼。レベッカとロメオの子供でした。

一番あとが気になるエンドではありますが、なんとも切ないですねえ。


というわけで一通りのルート終わりです。



総評



全体的には、良作・・・であるのは間違いないとは思うんですが、
肝心の戦闘描写がクドく感じられてしまったのがなー。
初期ニトロや、デモベなどの熱さが感じられなかったのがびみょんでした。

あとは無駄に冗長なシーンが多かったように感じられました。
もちっとテンポ良くシナリオが進んでくれたらもっと評価上がったと思うんですけども。