MOON CHILDe

新規メーカー?のSIESTAよりMOON CHILDeです。
本作品、なんとあの久弥氏の復帰第1弾っぽい作品なので、結構期待でした。
デモムービーもかなり悲壮感が漂う、いかにも泣けそうな雰囲気でした。
(体験版はプレイしませんでしたが・・・。)


グラフィックは、まあ無難。
ただ、キャラによって、結構顔の造型などが、
結構違うように見えたのは僕だけですかね。
キャラデザ自体が違うのかな・・・。
まあ、少し違和感があった程度ですので、問題はないですね。

イベントCGについては、
数自体は、少し少ない感じがしましたが、
演出面では結構凝っていたので、そこは良し。


音楽は結構高評価。
コミカルなものからシリアスなもの。
美しい旋律の曲から、おどろおどろしい曲まで、
なんでもござれって感じです。
曲のクオリティも総じて高かったように思えます。

OPムービー+主題歌もなかなかクオリティが高い。
主題歌は、エロゲでは割と珍しいタイプの曲でしたねえ。

と、全体的に、BGMや、曲自体は文句無しだったんですが、
使い方が・・・というよりは、
シナリオ的に、こんな曲使うほどのシーンかなあ?と
思うような箇所が、割とありましたね。。。



んで、シナリオです。

50年前、世界はナイトメアという未曾有の危機に晒されました。
ナイトメアと名づけられた、正体不明の影に、秒単位で殺されていく人類。
7日続いたその現象で、人類の数は半分に減っていました。

その現象は「蝕」と呼ばれ、人類最大の災害となりました。
その後も夜はナイトメアの時間となり、少しずつ人類は殺されていきます。
そして、世界に発生していく、ナイトメア感染症にかかった子供達、MOONCHILDe。

ムーンチャイルドには、何らかの超常的な力が備わっています。
主人公は、未来を視る力を持っています。
ムーンチャイルドが強制的に収容され、治療されるための、学校。
そこは私立まほろば学園。主人公は、検査に引っかかり、そこへ転校することになります。


と、これがプロローグ。

上記内容からも判るとおり、かなーり重い雰囲気の物語ではあるんですが、
意外と、学園自体は明るい雰囲気です。そのあたりは賛否両論か。
こういう世界設定自体は好きな分野ですね。

で、そこから各ヒロインルートへ移行するわけです。

基本的には、胡桃・薫子ルート、水乃・かなたルート、
そして、咲夜・リンネルートの3つに分けられます。
そこからさらに各ルート、と。

個人的にはやはり、メインとなる咲夜・リンネルートが面白いですね。

胡桃・薫子ルート、水乃・かなたルートでは、
「蝕」に関しては解決せずに終わってしまいますし・・・。
まあ、かといって、世界を震撼させた「蝕」という現象が、
日本の片隅の私立まほろば学園という場所だけで、
解決してしまうのもなんだかなあという気はしますけど。。。

なんというか、スケールの大きい世界設定の割には、
こじんまりとした結末かなあ・・とか。
ナイトメアや、ムーンチャイルドの真実・結末については、
意外と捻りがない・・というか割とあっさり風味な結論だったりしますし


シナリオ自体は、なかなか緊迫感があって面白かったですけどね。
ただ、主人公の未来視の力が咲夜ルート意外でほとんど役に立ってないのが。。。
まあ、主人公を揺り動かすトリガーにはなっていたからいいのかな?

そういえばライターさんが違うからなのか判りませんが、
胡桃・薫子ルートでは、会長が生き返る(実は死んでいなかった)という
衝撃のイベントがあるわけですが、他ルートの会長はどうなってるんでしょ・・・。
大体ちゃんと死体が残っていて自殺だと判定されたんじゃなかったのか・・・。
姿がないのならば失踪って扱いになると思うし・・・。
しかもわざわざ生き返らせる程の活躍はして(ry

・・・まあ、薫子との友情って要素を満たすのは、
会長しかいなかったとは思いますけどねえ・・。




んで、総評です。

全体的には、そつがなく、
グラフィック、音楽、シナリオ全て、
上出来のものだとは思います・・・。
ただ、個人的には、シナリオをもうちょっと頑張って欲しかったかなあ、と。
設定を十分生かしきれてない感じがありました。
もうちょっと頑張れば、名作になれた作品、かな?


ところで、久弥氏が書いたシナリオってどれだったんでしょうか・・・。