アズラエル〜リニューアル版




元々F&Cのオムニバス作品「426」の中の一つだった作品ですが、
Surviveより兼価版として、リニューアルされ発売しました。


というわけで、お話の方はボリューム的にかなり少ないです。

さらに基本的に一本道のストーリーですので、
全体的なプレイ時間は4,5時間といったところです。

OPテーマが実に素晴らしく、ムービーと合わせてかなりの出来になっています。
必見。



ふとしたことがきっかけで、死神の代行役をすることになる、主人公。
死にゆく運命にある人間に、死の期日を伝え、臨終時に魂を狩る。
そんな中、自分の知り合いだった先輩、生きることに意味を見出していない少女。
彼女らと出会い、愛し合っていきます。



印象に残ったのは2人目の少女、依子。
生きることに無頓着な彼女は、死にゆく運命にあることを伝えても、
何の反応も示しませんでした。
そんな彼女に、生きることの意味を教えていく主人公。

幸せであるということは、失いたくないものがあるということ。
依子は死ぬ間際にそう言い残し、そして自分は幸せだったと言います。

生きながらにして死んでいた少女に、生の意味を与え、
「死にたくない」という感情を芽生えさせた主人公の行動は、
死神の代行という運命を背負っていたからこそ、認められることだと思います。
でなかったら、ただの傍迷惑なお節介になっちゃいますし。


そういえば、全編通して、死神がカッコよかったです。
いいやつですよね、彼。
人の心が分からないとかいっときながら
しっかり主人公のこと心配したり、気遣ったりしてますし。
恩も忘れない、と。



「死」というテーマに真正面から挑んでいる意欲作だと思いますが、
ボリューム不足がやはり玉にキズですね。
依子の背景も殆ど描写されずに終わってしまいましたし・・・。


それでもオススメ出来る作品です。