かまいたちの夜2〜監獄島のわらべ唄〜
チュンソフトよりかまいたちの夜2です。
「弟切草」で確立されたサウンドノベルというジャンルを
マルチシナリオという面で昇華させた、「かまいたちの夜」の続編です。
映像面、システム面では格段に進化しています。
3D描写になったキャラクター。ユーザー補助のフローチャート。
クオリティの高いサウンド。
(まあ、前作の使いまわしが多いのが気になりましたが)
・・・が。
キモのシナリオについては不満足だったように思います。
正直、前作が好きだった人全員が満足出来る内容ではなかったように感じました。
てゆーか悪趣味なシナリオが多すぎ。
これも例に漏れず、僕の中では「前作を超えることは出来なかった作品」になってしまいました。
以下、各シナリオの感想です。
わらべ唄編
サブタイトルにもある、メインシナリオですね。
バッドエンディングを2,3回繰り返し、グッドエンディングに到達しました。
トリックはどこかで見たようなものだったし、ヒントもそこらじゅうにバラ撒かれていて、
犯人は1発で当てることが出来てしまったのですが、それでも、かなり楽しくはあったんです。
で、ラストの大津波ですが・・・現実感、皆無でした。
小林夫婦の言動、主人公達の焦り。まったく心を動かされませんでした。
本来なら感動するとこなんでしょうけどね〜。
後から思ったことは前作に比べて「恐さ」が格段に落ちてるなあ、でした。
なんというか選択肢に対するドキドキワクワク感がないんですよね。
前作は間違った選択をすると犠牲者が増えるなど、恐さがあったんですが、
今作ではバッド直行、もしくは変化なし。これじゃあね・・・。
まあ、犯人の質によるところではある・・・かな。
あと、全てのシナリオに言えることだと思うんですが、
シナリオの数自体は多く、バリエーションに富んだ内容だったんですが、
一つ一つのシナリオ内での分岐があまりに少ないということ。
これはかなり痛いと思いました。
結局どれも一本筋に近い内容になってしまっています・・・。
陰陽編
個人的に結構期待していたシナリオなんですが・・・。
駄目でした・・・。
次々に死んでいく人々に対し、何も出来ない主人公。
そう、人が理不尽に死んでいくのが解っていながら
防ぐ手段は全くありません。
さらに夢も希望もないグッド(?)エンディング。
おまけにラストのゾンビ状態となった登場人物の行進。
ホラーっていうか・・・気持ち悪いだけですよ。
恐いのと気持ち悪いってのは違うと思うんですけどね〜。
なんとも後味のすっきりしないシナリオでした。
底蟲村編
虫嫌いの人はプレイしてはいけないシナリオです。
シナリオ自体はなかなか面白い内容だったのですが、
演出に対しては気持ちが悪いの一言に尽きます。
そして陰陽編と同じく救われないグッド(?)エンディング。
それでも陰陽編よりはいいエンディングでしたが。
ところで・・・
ラストの怪獣大決戦は笑うとこですよね?(笑)
サイキック編
真理が主人公のサイキック編です。
結構短いですが、なかなか面白かったですね。
ただ、設定がちょっと陳腐だったように思いました。
というかもうちょっとつじつま合わせられる設定があったんじゃない?と思うような。
陰陽、蟲のように気持ち悪さはなかったので良かったですけどね。
ただエンディングを迎えたあとの後味の悪さは同じ(泣)
官能編
よく家庭用ゲームで発売出来たな(笑)という官能編です。
ギャグ一直線なんで陰陽、蟲とやってきたところでかなり癒されました。
見所は
みどりさんのケツ振り
と
夏美さんのコスプレです。
それだけです。
わらべ唱編
これもギャグ一辺倒のシナリオです。
かなり笑えたので良しとしましょう。
主人公のキャラがかなり変わってましたがそこはご愛嬌ということで。
妄想編&惨殺編
あーなんてゆーか・・・今作こんなのばっかな気がするんですが・・・。
とりあえずどっちも気持ち悪いの一言です。
洞窟探検編
これは個人的には結構好きです。
肝心の謎解き部分が簡単すぎたり運任せだったりと問題はあると思うんですが、
・・・まあ、こういうソフトなシナリオもやりたくなりますよ。
妄想編とか惨殺編とかやったあとじゃあ・・・。
エンディングも後味いいですしね!
・・・とまあ大体のシナリオの感想でした。
やっぱりいいたいことは後味が悪いシナリオが多すぎるのと
シナリオ自体、もしくは演出が悪趣味なのが多いこと。
基本的にどのシナリオも一本筋なこと。
結局、我孫子氏本人がシナリオを書かなかったこと。
ここに全ての原因があるような気がします。
最後に。
「釜井達の夜」もなかなか厳しかったと思うんですが・・・。
かまいたッチは流石にないでしょう(笑)